福祉・介護職員処遇改善加算について❶
当事務所に最も多いご相談が「処遇改善加算がよくわからない」というものです。
施設管理部や書類作成担当者様が一度は頭を悩ませる手続きの一つですが、本記事では大枠を解説していきます。
・内容を理解できないまま書類作成を進めてしまうことにより、
➡加算を賃金改善に使用できていない
・どのように作成したらよいかわからず
➡作成に時間がかかる、実績報告書の提出期限を過ぎてしまう
などの問題が発生する可能性があり、中には返還となるケースもあります。
そのような事態にならないために、そもそもどのような制度なのか、要件とは何なのかを本記事で少しでも
理解を深めて頂けましたら幸いです。
- 処遇改善加算とは
処遇改善加算とは、そのままの意味で現場にて働く介護職員の「処遇を改善」するための制度です。
具体的には、まだまだ離職率の多い介護職員の賃金を改善する事により、定着を図ることを目的としています。
そのため当たり前ですが、取得した加算分を介護職員の賃金改善に充当しなければなりません。
- 対象の職員
介護職員として従事している職員が対象となります。保育士や指導員などの資格保有者も対象です。
- 加算の種類
処遇改善加算はI、Ⅱ、Ⅲと3つの区分があり、若い数字になるほど加算も増えますが、要件も厳しくなります。
- 加算Ⅰ:キャリアパス要件全て+職場環境等要件
- 加算Ⅱ:キャリアパス要件①および②+職場環境等要件
- 加算Ⅲ:キャリアパス要件①または②+職場環境等要件
※従来は加算Ⅳ,Ⅴ,特別加算というものもありましたが、現在は廃止
キャリアパス要件の考え方については下記で解説してみます。
- キャリアパス要件とは
◆キャリアパス要件Ⅰ
職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
例)介護職員に対して主任やマネージャーなど、役職を用意し就業規則に明記
◆キャリアパス要件Ⅱ
資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の実施または研修の機会を設けること
例)資格取得費用の免除などを福利厚生で設定
専門家によるヒヤリハット研修やコンプライアンス研修などの実施
◆キャリアパス要件Ⅲ
経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること
例)介護福祉士や実務者研修修了者などの資格に応じて昇給する仕組み
キャリアパス要件Ⅰのより確実にするための補助的な考え方なのではないかと思います
≪引用≫ 厚生労働省 別紙5 障害福祉サービ等事業者と福祉・介護職員の皆さまへ
保育士などの子育て支援事業者向けの処遇改善加算制度もありますが、本記事に纏めると長くなってしまうため、別記事にて解説させて頂きます!
ざっくりとした解説になってしまいましたが、ここまでお読み頂きありがとうございました。